もう、キスだけじゃ足んない。
執事VS幼なじみ
【遥side】
「で?日向さんの相手役が、胡桃になったと?」
「───ッチ」
「桃華。今は遥に近づかないほうがいいよ。
今、今世紀最大にキレてるから」
「……」
昨日、あのあと。
「遥たち……bondや君のお姉さん、momoちゃんと同じステラプロモーション所属で、胡桃ちゃんと同じ王煌の3年だよ」
君たちの一個上だよ。
「同じ、学校だったんですか……しかも、高校生って……」
「うん。あれ?
もしかして俺、高校生に見えない?」
「はい……この間お会いしたとき、すごく大人っぽかったので……」
「ふふ、ありがとう。胡桃ちゃんにそう言ってもらえると、めちゃくちゃうれしいな」
「あの、早生さん……」
「同じ学校なんだし、先輩でいいよ」
「早生、先輩」
「なに、胡桃ちゃん」
「あの、よろしくって……」
「ああ、うん。実はね……」
「久しぶりー!胡桃ちゃん!
俺のこと覚えてる?」
「あ、やっぱり……」
「覚えててくれてたんだ!もう一回会いたいなってずっと思ってたんだよ!遥くんも久しぶり」
「……」
「おい、遥……!」
隣で清見が真っ青な顔して慌てているけど、心底どうでもいい。
この男……たしか前に、杏と桃華が出てたドラマの監督。
そして胡桃と俺に、降りた出演者のために出てほしいとオファーしてきた人。