もう、キスだけじゃ足んない。
***
プルルル……プルルル。
「……もしもし」
「もしもし、杏。
俺、遥だけど」
「うん。今俺も電話しようと思ってた」
「桃華は?」
「大丈夫。ちょっと泣かせちゃったけど……」
「それはどっちの意味で?」
「両方かな」
「杏……」
「ごめんごめん。
そっちこそ、胡桃は?」
「大丈夫。特に体調悪いとかもないし。
ぐっすり寝てる」
あれからそのまま寝てしまった胡桃にもう一度布団をかけ直して。
離れるのが名残惜しくて、ダッシュで風呂に入ってきた俺。
「はる、か……」
タオルで頭を拭いていたら聞こえた小さな寝言。
「胡桃……」
そっと頭をなでた手を、涙の後が残ったままの頬にすべらせていく。
この世で一番大好きで、大切で。
それは過去もこれからも、一生変わらない。
すべてを引き換えにしても守りたい、愛おしい存在。
「遥。あの話だけど」
「ああ。俺もそのことで電話した」
胡桃……。
やわらかい前髪をかきあげて、白い額に唇を落として、包み込むように抱きしめた。
「やっぱりライブのときに……」
「ああ」
胡桃……待ってて。
もう少し、だから。
プルルル……プルルル。
「……もしもし」
「もしもし、杏。
俺、遥だけど」
「うん。今俺も電話しようと思ってた」
「桃華は?」
「大丈夫。ちょっと泣かせちゃったけど……」
「それはどっちの意味で?」
「両方かな」
「杏……」
「ごめんごめん。
そっちこそ、胡桃は?」
「大丈夫。特に体調悪いとかもないし。
ぐっすり寝てる」
あれからそのまま寝てしまった胡桃にもう一度布団をかけ直して。
離れるのが名残惜しくて、ダッシュで風呂に入ってきた俺。
「はる、か……」
タオルで頭を拭いていたら聞こえた小さな寝言。
「胡桃……」
そっと頭をなでた手を、涙の後が残ったままの頬にすべらせていく。
この世で一番大好きで、大切で。
それは過去もこれからも、一生変わらない。
すべてを引き換えにしても守りたい、愛おしい存在。
「遥。あの話だけど」
「ああ。俺もそのことで電話した」
胡桃……。
やわらかい前髪をかきあげて、白い額に唇を落として、包み込むように抱きしめた。
「やっぱりライブのときに……」
「ああ」
胡桃……待ってて。
もう少し、だから。