もう、キスだけじゃ足んない。


「胡桃……っ」

「んん……っ、は、」


ギシッとベッドのスプリングが鳴って、遥が覆いかぶさってきて。

もう一度、深く唇が重なる。


言葉がなくても、ふれたところから遥の愛が強く伝わってくる。

「好き」「大好き」「かわいい」って、何度も何度も。


「とびきり優しくする。めちゃくちゃ甘やかしてあげる。でももうずっと我慢してたから、途中無理だって言われても、やめてあげられない。それでもいい?」

「うん……いいよ」


こつんと合わさったおでこが熱い。

私を見つめるその瞳も、少し性急にシャツのボタンを外す手も。

熱い……とんでもない熱が渦巻いている。


「ん。じゃあ一つ約束。
痛いとか苦しいとか、我慢しないで言って。
心の声でも、声でも、絶対に」

「うん……」

「ん、いい子」


よしよしって頭を撫でてくれて、額にそっとキスが落ちてくる。

それだけでもう、私の体はおかしいくらいに、ふにゃふにゃに、とけてしまいそうで。


「今からそんな顔してたら、もたないよ」

「えっ」

「めちゃくちゃ気持ちよくさせるつもりだから」

「ぅ……えっと、」


「───……かわいい。
大丈夫。心配しなくても、杏みたいにはしない。
俺は、胡桃が喜ぶことしかしない」

「っ……!!」


「だから、気持ちいいとか、ぜんぶ見せて。教えて」

どろりと熱に溶けた瞳に見つめられて、体がぶわっと熱を持つ。

「口、あけて」

「はる……っ、んぅ、」


「胡桃。ありがとう、俺をほしいって言ってくれて。俺も、俺のぜんぶをあげる……けど、」


俺のすべては、いつだって。

今もこれからも。

余すことなく胡桃のものだよ。
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