もう、キスだけじゃ足んない。


そっと私の腰をなでながら、ニヤリと笑う遥に、みるみるうちに全身が熱くなる。

ここ楽屋だよ!?なんてこと言い出すの!?


「良かった……ちゃんと覚えてて。
メッセージの返信返ってこなかったら、もしかしたらと思って」

「わ、忘れるわけないよ!
だって遥あんなにかっこよくて、めちゃくちゃ気持ちよくしてくれて……あ、」

「へえ?」

「あっ……えっと!」


うわああああ!墓穴掘ったあああ!


「ふはっ、焦りすぎ。
ごめんな、からかいすぎた」

「っ、もう……!」

「胡桃まじでかわいかったから、俺とまんなくて。
無理させて本当にごめんな」

「っ〜〜!
分かった!もう分かったから!」


はずかしい!!
とにかくこの話題から抜け出したい!


「あー、でもこれからは毎日できるもんな。
金曜の夜からはじめて、土日はずっとベッドで過ごすのもありだよな」

「なななな、なにいってるの、ばか!」


「あー、胡桃のばか、久しぶりに聞けた。
最高」

「っ!!」

「胡桃」

「あっ、ちょっ……」


そして慌てふためく私に、クスッと笑った遥が目を伏せたとき。


ブーッブーッ……。


「は、遥!電話!」

「清見、はないよな……だったら、」


なんとも言えない顔で、ちらりと私を見た遥。

ま、まさか……。
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