もう、キスだけじゃ足んない。


「なっ、ななな……っ!?」


ボンッと真っ赤になる私。

杏たちに見られるって!


「ふっ、かわいい……さっきできなかったから。
みんなが帰ってふたりになったら、またたくさんしような?」

「た、たくさんって、何を?」

「もちろんキスだけど?
あ、もし胡桃がお望みならその先も……」

「い、言わなくていい!」


ぶはっと噴き出した遥に、思わず私も笑ってしまった。


ありがとう、遥。

私のためにって、いろいろ悩んで、考えてくれて。

こんな幸せなことなんてない。

私、遥に出会って、遥を好きになれて、本当に良かった。


「遥」

「うん?」

「大好きだよ」

「俺も。大好きだよ、胡桃」


お互い目を見て笑い合う。

遥の世界が色づく理由が私であるのなら、私の世界が色づいて見えるのも、ぜんぶ遥のおかげ。



君が 君だけが

僕の歌を好きでいてくれたら

僕を好きだと笑ってくれたら

変わらず隣にいてくれるなら

いつだって僕は

君に恋をして

君を 君だけを 愛そう


そう、遥が言ってくれるなら。


私も。


あなたが私を好きだと笑ってくれるなら。

変わらず隣にいてくれるなら。


いつだって私は

あなたに恋をして

あなたを あなただけを愛そう


何度だって、何度生まれ変わっても。

私は遥に恋をする。

いつだって、私のすべては遥だから。
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