もう、キスだけじゃ足んない。


握られた手をそっと持ち上げられて、


「っ、はる……」


手の甲に優しい口づけが落ちてくる。


「胡桃。俺の考えてること、教えて?」


手に向けられていた、伏せたまつげがゆっくりあがって、


「ほら」

「っ……」


甘い甘い目に見つめられたら。

胸がトクンと高鳴って、もう勝手に口が開くの。


「すき……」

「うん?」

「大好き……」


「ん、俺も大好きだよ」


長いまつげがまた伏せられて、ゆっくり唇を塞がれる。


「口あけて」

「ふぁ……っ」


「ん、いいこ。上手だよ」


おでこに、頬に、こめかみに。

最後に軽く唇に。


「好きだよ」


「っ……ふ、は」


「かわいい……すげえ好き」


「ん……っ」


1回、2回、3回……。


「っ、は……はる、か……っ」

「ん……?なに?」


「もっ、5回、した、よ………」
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