もう、キスだけじゃ足んない。


「図書室って、なんか変にワクワクしない?」

「そ、そう……?」

「うん」


それから迎えたお昼休み。


『存分にイチャイチャしてこい!!』


謎のエールをあーちゃんからエールを送られ、遥とふたり、図書室にやってきた。


どこ行く?

その私の質問に、「図書室一択」って言った遥。


でも、なんで図書室?


「芸能科のやつって、そもそも学校来れないから、ほとんど使うことないし」


「そっか……」


たしかに図書室で勉強したり、本読むことはなかなかできそうにないよね。

借りたとしても、読む時間もなさそうだし。


「とりあえず、昼食うか」

「うん」


こっちにしよ。


読書スペースは飲食禁止だから、奥の自習スペースに移動する。

人いないなぁ……。


うちの図書室は教室からは一番離れた場所にある。

4階の端だから、普通科の人でもあまり行かないみたいだし。


「胡桃」


「なに?」


「遠くね?」


「……」


そう。

私たちが今いるのはテーブル席。

1つの長いテーブルに、5つのイスが窓に向いて並んでる。


遥が左から1番目、つまり一番奥に座っているのに対して、私は5番目。

一番入口に近い方。
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