もう、キスだけじゃ足んない。


それから。


「……」

「……」

『……』


「めちゃくちゃ静かだけど、どうかした?」

「な、なんでもないよ?」


遥の正面に座って。

とにかくなにも考えないように必死。

なんか、心理戦してる気分なんですけど……。


「食欲もあんまりないみたいだし……体調わるいとかではないよな?」

「っ……」


ぴとっとおでこがふれて、至近距離で視線が絡む。


「へ、へいきだよ?」

「んー……ならいいけど、」


ごちそうさま。

そう言って手を合わせた遥は。


「胡桃」


「なに?」


「こっち、きて」


「えーと……こっち、っていうのは……」



私の正面でイスに座ったまま、両手を広げて。

甘い微笑みが私を誘う。



「俺の膝の上」

「へえ……俺の膝の上か……俺の膝の上!?」

「ぶはっ、なんで2回言ったの?」
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