最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
旅先で出会った人と体を重ねるだなんて、私は軽率な女なのかもしれない。すぐ詐欺に騙されるし、警戒心がないと彼にも言われた。

でも、私は本気だ。

志遠さんのことだけは、信じられると思う。

母の思い出を辿る小旅行――彼の存在は孤独な私に母が与えてくれたギフトなのではないかと思う。

「志遠さん……抱いてほしい。あなたがほしい」

「俺は陽芽のものだ」

志遠さんがシャツを脱ぎ捨て、熱を宿した素肌を私に重ねる。

服を着ると細く見えるのに、体にはしっかりと筋肉がついていて、想像以上に彼は逞しかった。

どくどくと鼓動が高鳴る。私の爆発しそうな胸に彼はそっと手を置いて音を確かめる。

「あの……恥ずかしいから、あまり聞かないで」

「心臓の音すら恥ずかしいのか? さっきから隠してばかりだ。唇や、胸――」

そう言って彼は、私が隠さないように腕をしっかりと押さえつけながら、胸の膨らみに唇を滑らせた。

「ここは?」

「っぁ……!」

敏感な場所に触れそうで触れず、焦らして私の反応を確かめながら遊んでいる。

体をもぞもぞと動かすと、彼は私の腰をしっかりと押さえて覆いかぶさった。

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