最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
目が覚めると、閉じられたカーテンの隙間から日の光が差し込んでいた。
「目が覚めたか?」
声にドキリとして肩を震わせると、隣に眠っていたはずの志遠さんはすでに目覚めていて、こちらを見てくすくすと笑った。
「そんなにびくつかれるなんて、心外だ。昨夜はあんなに愛を誓い合ったのに」
「……その、あなたと一緒に朝を迎えるなんて、初めてだったから」
見れば彼の眼差しは昨夜のまま熱っぽく、まだまだ足りないと言わんばかりに獰猛だ。恥ずかしくなってうつむく。
「帰国させる前に君を俺のものにできてうれしかった。少しの間、離れ離れになるけれど、俺を待っていてくれ」
離れ離れ――彼の言葉に不安感が増していく。これから私たちの関係はどうなってしまうのだろう。
「あの、私たちは……」
尋ねようとすると、先回りした彼が私の額にキスを落とした。
「君を追いかける。すぐにとはいかないけれど、日本で生活ができるように仕事を調整するよ。そしたら――」
彼の腕が私の頭を引き寄せる。甘くて真剣な眼差しが目の前に迫った。
「一緒になろう。結婚してほしい」