最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
私はラックの中央にある小型の仏壇を開けると、ショルダーバッグの中に入れていた遺影をもとの位置、父の写真の隣に置いた。
志遠さんはひくりと頬を引きつらせる。
「いや、そこに仏壇はあり得ないだろ。上に物を載せるとか、罰あたりな」
「仕方がないじゃありませんか。この広さのワンルームで仏壇を置くスペースなんて作れないんですよ」
両親は他界し実家もないから、荷物を預けておく場所もない。
一応小さなトランクルームを借りて両親の遺品を詰め込んでいるが、そこももう手狭だ。
「……一緒に広い家に住もう。俺が手配しておく」
仏壇に手を合わせながらつぶやく志遠さんを、私は驚いた顔で見つめる。
本当に彼は、この日本で私と結婚するつもりなのだろうか。
「あの、志遠さん。本当に、本当に……」
「結婚のことか? 今さら聞くな。本気に決まっているだろ」
強い口調で答えて私の方へ歩み寄ると、両頬を手で包み込んでこつんと額をあてた。
「その疑い深さを、どうして詐欺に遭ったときに発揮できなかったんだろうな」
「だって、こっちの方が信じられないんですもん」
「いい加減に信じろ。これでも俺は騎士の称号を授かった人間だ。嘘などつくものか」
志遠さんはひくりと頬を引きつらせる。
「いや、そこに仏壇はあり得ないだろ。上に物を載せるとか、罰あたりな」
「仕方がないじゃありませんか。この広さのワンルームで仏壇を置くスペースなんて作れないんですよ」
両親は他界し実家もないから、荷物を預けておく場所もない。
一応小さなトランクルームを借りて両親の遺品を詰め込んでいるが、そこももう手狭だ。
「……一緒に広い家に住もう。俺が手配しておく」
仏壇に手を合わせながらつぶやく志遠さんを、私は驚いた顔で見つめる。
本当に彼は、この日本で私と結婚するつもりなのだろうか。
「あの、志遠さん。本当に、本当に……」
「結婚のことか? 今さら聞くな。本気に決まっているだろ」
強い口調で答えて私の方へ歩み寄ると、両頬を手で包み込んでこつんと額をあてた。
「その疑い深さを、どうして詐欺に遭ったときに発揮できなかったんだろうな」
「だって、こっちの方が信じられないんですもん」
「いい加減に信じろ。これでも俺は騎士の称号を授かった人間だ。嘘などつくものか」