最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
たまらなくなり身悶える。しばらく抱かれていなかったせいか、初めてのときに感じたような、激しい痺れに襲われた。

早くも下腹部の感覚が麻痺してきている。焦れったいような、苦しいような渇望が、私の体の中でじわじわと根を伸ばし始めている。

ただひとつ。初めてのときと違うことと言えば、そこに愛を穿たれればどんな快楽が訪れるか知っているということ――。

だからこそ苦しく、切ない。

「志遠さん、お願い――」

「焦らないでくれ、陽芽」

ぴたりと唇に人さし指をあてられ、早く抱いてとねだろうとした私を制止する。

「もう少し遊んでいても許されるだろう?」

そう言って、彼は私を奥の寝室へと運びベッドに寝かせると、自身もシャツを脱ぎ捨てた。

彼の素肌が目に入った瞬間、体の感度が高まった気がする。

触れたい、触れられたい、触れられたらとても心地いい……。体が思い出して快楽にのまれていく。

それだけあの夜の記憶が鮮明なのだろう。

「志遠さん……」

「そんな目をするな。遊ぶ余裕がなくなってしまう」

< 259 / 272 >

この作品をシェア

pagetop