最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
エピローグ
志遠さんのお祖父様に挨拶を済ませ、私の両親のお墓にも結婚と出産の報告をした。

そして半年後。とうとうイギリスに住む志遠さんのお父様に挨拶をする日がきた。

苦手なフライトの時間が近づき、私は晴をぎゅっと抱きしめる。

「大丈夫だ。俺も晴もついている」

「どちらかというと、晴が泣き出したらどうしようって方が不安かも」

十二時間も飛行機に乗っていなければならない。そのうち飽きて泣き出すだろう。ほかの乗客にもきっと迷惑をかける。

「気にするな。ここに乗っている人間はみなうちの関係者だ」

晴はまだ一歳。泣かないでという方が無理。

だから、周りの乗客に迷惑をかけないように、志遠さんは飛行機を一便チャーターした。

乗客は志遠さんの会社の社員やご親族のみ。旅行や仕事などでロンドンに行く人を募り無料で乗せている。

もちろん赤ちゃんが同乗していることは事前に了承済みだ。

「子どもは泣くのが仕事だから。気にしないで」

うしろにいたご夫婦が笑顔で声をかけてくれた。志遠さんが「ご理解ありがとうございます」と会釈する。

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