最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
「ここはまぁ、タウン・ハウスというか、俺の仕事用の家だ。本邸は地方にあって、最近はあまり帰っていない」

つまり、ここは彼がひとり暮らしをするためのお家ということ……?

「待ってください。私、ホテルに泊まるんじゃないんですか?」

「恋人であれば普通は家に泊めるだろう」

ちょっと待って、と私は頬を引きつらせる。

私はこの人の自宅にお持ち帰りされてしまったのだろうか?

いや、今さら彼のことを信頼していないとは言わないけれど。

これでも一応、恋人を持つ身。相手の目の届かないところで別の男性とひとつ屋根の下というのはまずいのではないだろうか。

「あの、やっぱり私さっきのホテルに――」

「俺と一緒よりは、幽霊と一緒の方がマシだと?」

「いや、幽霊の方が嫌ですけど……でも志遠さんだって言っていたじゃありませんか! 知らない男についていくなって」

「誓ってなにもないから安心しろ。君は俺の中で女性ではない。迷子になった憐れなチワワだ。君の恋人を裏切るような真似はしないよ」

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