最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました

「明日、俺は朝一で仕事に行く。午前中に護衛をよこすから、観光案内をさせるといい。金は陽芽に預けると不安だから、彼に渡しておく」

「護衛、ですか……」

彼というからには男なのだろう。護衛とはいえ、見知らぬ男性と一日中一緒だと思うと緊張してしまう。

私の考えを読んだのか、彼が私の頭に手を置いて髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。

「安心しろ。護衛と言っても警備会社の人間とか、そういうんじゃない。信頼出来る友人に頼むつもりだ」

「……わかりました。なにからなにまでありがとうございます」

結局、無一文になった憐れな迷いチワワは、お金持ちの善人に拾われ、手厚い保護を受けることになった。

こうして現代の英国騎士様と私の奇妙なプチ同居生活が始まった。