迷彩服の恋人
「そういえばさ、都ちゃん。土岐くんと…メッセージでどんな話してるの?」

「えっ?どんな話って言われると…えっと――。」

私は、この2週間の…彼とのメッセージアプリでのやり取りを思い出しながら話した。

――――
【こんばんは。望月さん、映画観ました!面白かったです。
望月さんの〝推しの俳優さん〟…良いですね!カッコイイ!
〝男も惚れる男〟って感じ。僕もあんな風に運転できたら…。】

【土岐さん!こんばんは。課業お疲れ様でした!
映画、早速観て頂いたんですね!ありがとうございます!
そうなんですよ!〝彼〟カッコ良いんですっ!
あと。私、声フェチで〝彼〟の声…大好きなんですよねー!
土岐さん、運転お上手じゃないですか!】

――――

【こんばんは。望月さん…疲れましたー。
あなたのお話を聞けると癒されるので
あなたのお話を聞かせてくれませんか?】

【土岐さん、お疲れ様です。
今日、たくさん整備したんですか?
自衛隊車両、精密なものが多くて…気を張りそう!】

――――

【望月さん、今週末なら会えますよ。
ただ、プランニング苦手で…。】

【土岐さん!やったぁ!楽しみにしてますね!
じゃあ、カラオケでBlu-ray観ません?〝彼〟のライブの。
土岐さんのご希望でもあるので。】

――――

「やだ、けっこう話弾んでるじゃない。都ちゃんも土岐くんも、ゆっくり話すなら嫌じゃないみたいだし…お互い、ペース合ってるかもね。なのに…誰よ?2人のデートを台無しにしてくれちゃった人は!上官かな。」

「あっ、あのっ!デートだなんて…。土岐さんはそんな風に思ってないと思いますよ。彼は優しいから……。」

「いやデートでしょ。〝気にしあってる男女〟が2人で出かけるんだから。……都ちゃんは営業と総務の〝クズ男〟と別れてから自信無くしすぎよ。気遣ってあげたり、心配して怒ってあげられるって…すごいことなんだからね?男の方が図に乗って甘えてただけよ、あれは。……さて。話戻すけど、今度の〝駐屯地祭デート〟は…お互い任務完遂あるのみ!"勤務中の自衛官とイチャイチャできる数少ないイベント日"だから。」

「あはは、了!」

やっぱり先輩は、頼りになるなぁ…。

そう思いながら、残りの昼食を美味しく頂いた。


仕事を終えて帰宅し、夕食もお風呂も済ませて落ち着いたところで…私は土岐さんにメッセージを送る。
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