迷彩服の恋人

「ありがとうございました。望月さんとおっしゃいましたっけ？…子供に接するの、慣れているんですね。…土岐士長。〝良い彼女さん〟じゃないか、大事にな。」

そうは言う中原さんだけど、私達の反応を見て交際に至っていないと察したようだ。
でも、そのあと「近々だろう？」と小声で話しているのが聞こえ、こっちが恥ずかしくなった。

そして、先輩たちのところに戻ってランチを食べ…午後は総合火力演習を見た。

「今日はありがとうございました！土岐さん、志貴さん。」

「こちらこそですよ、望月さん。ありがとうございました。」

「都ちゃん、楽しんでもらえたかな？」

「はい！とても。」

「あとで土岐くんとの２ショットとか、今日撮った写真は送ってあげるから。」

門の前でそんな会話をする、私達４人。

「僕達、片付けがあるので今日はここまでしか見送りできなくて…。すみません。」

「本当は送りたいんだけどね。」

「土岐さん、志貴さん。十分ですよ、お気になさらず。」

「そうよ、十分。ありがとう、２人とも。…また連絡するわ。」

こうして私達は駐屯地を後にし、駅で先輩とも別れて…それぞれの帰路に就いた。

＊

夕食もお風呂も済ませたタイミングで、結花先輩や土岐さんからメッセージが届く。

先輩は…【写真だよー。大事にしてね。】という文面と写真を送ってきていた。

そして土岐さんからは――。

【今日は本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。望月さん、子供好きなんですね！
将太の相手を上手くされていたので、感心していました！
ところで、望月さん。今日も本音押し殺したでしょ。
お話を聞かせてもらっているので、改めて言いますが…
僕は過度に女性らしさを求めたりしませんし…
好きなことを「好き」と言えたり、寂しい時に
「寂しい」って言い合える関係に憧れます。
素直になるのを怖がらないで…考えすぎないで下さい。
すみません、上手く伝えられなくて。
ありのままの…自然体のあなたで良いんです。】

今日のお礼と、優しい…【お叱りメッセージ】が入っていた。

土岐さん……。覚えててくれたんですね、以前話題に上げた寂しがり屋だという話を――。

ありがとう――。


もう、このメッセージがあれば…何だってできる気がした――。