アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
ホテルのスイートルーム。

入るなり、四葉の口唇を塞ぎ貪った揚羽。
「ンンン…」
「四葉…」
「はぁはぁ…ん…」

「抱かせて……」

「え?でも、もう少しお話━━━━」

「お願い……!!
まずは、四葉を抱きたい……!」
そして揚羽は、四葉を抱き上げた。

ベッドに移動し、優しく下ろした揚羽。
少し乱暴に四葉の服を脱がす。

「揚羽…く……待っ、て……」
「ごめん、無理……」

ブラウスのボタンを一つ一つ外すのがもどかしくて、グッと上に一気に捲り上げた。

そして四葉の柔らかい肌に吸いついた。

「んん…ぁ…あ…」
揚羽の啄むようなキスに、小さく反応する四葉。
その姿に揚羽は更に煽られ、落ちていく。

グッと繋がると、四葉が揚羽の首に抱きついてきた。
「揚羽…く…好き…」

不意の言葉が、また揚羽を煽る。

果てても、身体がもっと、もっとって反応する。


「四葉…も…一回……」
「や…も…だめぇ…」
四葉が揚羽に背を向けた。

その背中に吸い付くようにキスを落とす。
色白の四葉の肌にキスマークが付く。

(ダメだ……さっきから、煽られてばっかで興奮が収まらない)

四葉が少し震えていた。
さっきから何度も求めすぎて、何度果てたかわからない。

休ませないと………

「四葉、シャワー浴びようか」

頭を冷やさないと四葉を抱き壊してしまうと思い、四葉を抱き上げバスルームに向かった。

疲れきって動かない四葉の身体を丁寧に洗い、バスタブに入る。

「揚羽くん…」
「ん?」
「どうしたの?こんな…」

「ちょっとね…」

「ちょっとって?」
「不安なだけ」
「不安?
これからは、沢山会えるよ!もちろん、鳳雅くんの協力が必要だけど……」
「あぁ、そうだね…」

いつも淡々として、冷静な揚羽。
動揺や不安をあまり四葉に見せない。

その揚羽が不安そうに表情が暗い。

「揚羽くん」
「ん?
━━━━━━━!!」
湯が揺れて四葉の顔が近づいたかと思ったら、口唇が重なった。

「できる限り、沢山時間作って会お?
だって私が、揚羽くんに会いたいから!」
そう言って、揚羽の頬を包み込んだ。

「うん…そうだね。
ありがとう、四葉!
大好きだよ…大好き……」

二人の口唇が重なった。

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