アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
チーム“鳳”
「行くよ、四葉」
そして月曜の朝。
四門と一緒に屋敷を出た、四葉。
そこには、鳳雅がいた。
「おはようございます」
「鳳雅?」
「鳳雅くん、どうしたの?」
「おじさん、もう一度だけ俺にチャンスをください。もう…約束を破るようなことをしません!」
丁寧に頭を下げる、鳳雅。
「鳳雅くん、やめて!!
鳳雅くんは、何も悪くないの!!
私が━━━━」
「四葉」
「え?」
「言ったよな?俺は、お前のこと本気だって!
俺は本気で、四葉と結婚したいと思ってる」
「鳳雅くん……」
「だからおじさん、お願いします!」
鳳雅は、もう一度四門に向き直り頭を下げた。
「わかった。
三島、行くぞ」
四門は鳳雅の肩をポンポンと軽く叩き、三島を連れ車に乗り込んだ。
「━━━━━四葉、俺達も行こ?揚羽が待ってる」
「鳳雅くん、どうして?」
「四葉の覚悟、まだ見てない。
別に揚羽を好きで構わない。
でも、四葉には無理だよ。
揚羽の傍にいるのは」
四葉は言い返せない。
確かに鳳雅や両親が言うように、あの残忍な揚羽の傍にいることが果して自分にできるのか、不安なのだ。
あくまでも揚羽は、四葉に“だけは”優しく穏やか。
でも、本当に四葉に“だけ”なのだ。
揚羽が他人に向ける、ある意味殺意のような表情や雰囲気。
それがもし、自分に向いたらと思うと考えるだけで身体が震えるのだ。
それ程までに、揚羽は恐ろしい人間だ。
それこそ、ヤクザに相応しいと言っていいだろう。
「四葉」
「え?」
「今日、大学終わったら“鳳”の仲間に会いに行こ?」
「え……」
「揚羽と結婚したいんだろ?
だったらまず、俺の仲間に慣れることからだ」
鳳雅は何がしたいのだろう。
どうして、揚羽と四葉の結婚を後押しするようなことをしてくれるのだろう。
鳳雅の考えがわからない。
四葉はただ、鳳雅を見つめていた。
大学に着いてからも、いつものように過ごす三人。
揚羽は相変わらず四葉から離れず、優しく慈しむ。
鳳雅も見守るように、四葉から離れない。
二人のアゲハは、四葉から決して離れないのだ。
講義を終え、門に向かう三人。
鷹寅がいた。
「鷹寅くん?」
「迎えに来たよ~!」
後部座席のドアを開けた、鷹寅。
揚羽が先に四葉を乗せ、横に乗り込んだ。
「揚羽くん」
「ん?大丈夫だよ。僕からいるからね!」
「うん…」
正直“鳳”のチームメンバーは、苦手な四葉。
揚羽と繋いでいた手を、更にギュッと握りしめた。
そして月曜の朝。
四門と一緒に屋敷を出た、四葉。
そこには、鳳雅がいた。
「おはようございます」
「鳳雅?」
「鳳雅くん、どうしたの?」
「おじさん、もう一度だけ俺にチャンスをください。もう…約束を破るようなことをしません!」
丁寧に頭を下げる、鳳雅。
「鳳雅くん、やめて!!
鳳雅くんは、何も悪くないの!!
私が━━━━」
「四葉」
「え?」
「言ったよな?俺は、お前のこと本気だって!
俺は本気で、四葉と結婚したいと思ってる」
「鳳雅くん……」
「だからおじさん、お願いします!」
鳳雅は、もう一度四門に向き直り頭を下げた。
「わかった。
三島、行くぞ」
四門は鳳雅の肩をポンポンと軽く叩き、三島を連れ車に乗り込んだ。
「━━━━━四葉、俺達も行こ?揚羽が待ってる」
「鳳雅くん、どうして?」
「四葉の覚悟、まだ見てない。
別に揚羽を好きで構わない。
でも、四葉には無理だよ。
揚羽の傍にいるのは」
四葉は言い返せない。
確かに鳳雅や両親が言うように、あの残忍な揚羽の傍にいることが果して自分にできるのか、不安なのだ。
あくまでも揚羽は、四葉に“だけは”優しく穏やか。
でも、本当に四葉に“だけ”なのだ。
揚羽が他人に向ける、ある意味殺意のような表情や雰囲気。
それがもし、自分に向いたらと思うと考えるだけで身体が震えるのだ。
それ程までに、揚羽は恐ろしい人間だ。
それこそ、ヤクザに相応しいと言っていいだろう。
「四葉」
「え?」
「今日、大学終わったら“鳳”の仲間に会いに行こ?」
「え……」
「揚羽と結婚したいんだろ?
だったらまず、俺の仲間に慣れることからだ」
鳳雅は何がしたいのだろう。
どうして、揚羽と四葉の結婚を後押しするようなことをしてくれるのだろう。
鳳雅の考えがわからない。
四葉はただ、鳳雅を見つめていた。
大学に着いてからも、いつものように過ごす三人。
揚羽は相変わらず四葉から離れず、優しく慈しむ。
鳳雅も見守るように、四葉から離れない。
二人のアゲハは、四葉から決して離れないのだ。
講義を終え、門に向かう三人。
鷹寅がいた。
「鷹寅くん?」
「迎えに来たよ~!」
後部座席のドアを開けた、鷹寅。
揚羽が先に四葉を乗せ、横に乗り込んだ。
「揚羽くん」
「ん?大丈夫だよ。僕からいるからね!」
「うん…」
正直“鳳”のチームメンバーは、苦手な四葉。
揚羽と繋いでいた手を、更にギュッと握りしめた。