アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
楽々と敷地内に入り、今度は四葉の部屋のバルコニーに縄をかけよじ登った。
当然だが、窓が開かない。
カーテンも閉まっていて、中の様子もわからない。
四葉に電話をかけるが、なかなか出ない。
「どうしようかな」
あんな切ない四葉の言葉を聞かされて、帰るなんてできない。
というより━━━━
帰りたくない。
揚羽の方が、会いたくて堪らないのだから。
すると、思いが届いたのか四葉からメッセージが届いた。
『ごめんね、お風呂に入ってた』
すぐさま、電話をかける。
『もしもし?』
「四葉、窓!」
『え?』
「窓、開けて!」
『え……』
タタタッと足音が近づいてきて、カーテンが揺れる。
ひょっこっと四葉が顔をだし、目を見開いた。
慌てて窓を開けた、四葉。
「揚羽くん!どうし……あ、いや…とにかく中へ……!」
中に入った揚羽。
すぐに四葉を抱き締めた。
「会いたかった……」
もう……これだけで、四葉は涙が溢れていた。
「━━━━━ごめんね、揚羽くん」
ベッドに横になり、抱き合っている二人。
揚羽に頭を優しく撫でられながら、四葉はポツリと言った。
「ううん。僕の方が、会いたかったから」
見上げると、揚羽の優しい笑顔があった。
そして、首にはネックレスが光っていた。
「揚羽くん、ずっとつけてるの?
ネックレス」
ネックレスに触れ、言った四葉。
「当たり前だよ!
絶対、外さない。
四葉がスッゴく喜んでくれたし、僕の代わりって言ってくれたから。だからこれも、四葉の代わりだよ」
「………」
「四葉?」
「ごめんなさい、揚羽くん」
「ん?」
四葉は起き上がり、サイドテーブルにある引き出しを開けた。
そして壊れたネックレスを揚羽に見せた。
「これ……どうしたの?」
「今日、鷹寅くんのバーで落としたの。
その…文人くんに……」
「襲われそうになった時?」
「うん。
それで、取りに行ったの。
お父様と一緒に……
そうじゃないと、外に出してもらえなくて……」
「うん」
「お父様に勘づかれちゃった。
これ、揚羽くんからのプレゼントだって」
「そう…」
「このままじゃ…ネックレスを取り上げられるんじゃないかと思って、慌てて取り返したら……」
「壊れちゃったんだね?」
「………うん。ごめんね。
でも、明日ジュエリーショップに行って、直してもらうから!」
「もしかして、それであんなに悲しそうだったの?」
「うん。私の宝物だから」
「そっか。大丈夫だよ。四葉のその気持ちだけで、僕は十分!
…………あ、でも…また抱かせてよ?
そしたら、僕はもっと幸せになれるから」
「うん。私も、もっと抱かれたい……」
二人は抱き合い、溶けて果てた。
当然だが、窓が開かない。
カーテンも閉まっていて、中の様子もわからない。
四葉に電話をかけるが、なかなか出ない。
「どうしようかな」
あんな切ない四葉の言葉を聞かされて、帰るなんてできない。
というより━━━━
帰りたくない。
揚羽の方が、会いたくて堪らないのだから。
すると、思いが届いたのか四葉からメッセージが届いた。
『ごめんね、お風呂に入ってた』
すぐさま、電話をかける。
『もしもし?』
「四葉、窓!」
『え?』
「窓、開けて!」
『え……』
タタタッと足音が近づいてきて、カーテンが揺れる。
ひょっこっと四葉が顔をだし、目を見開いた。
慌てて窓を開けた、四葉。
「揚羽くん!どうし……あ、いや…とにかく中へ……!」
中に入った揚羽。
すぐに四葉を抱き締めた。
「会いたかった……」
もう……これだけで、四葉は涙が溢れていた。
「━━━━━ごめんね、揚羽くん」
ベッドに横になり、抱き合っている二人。
揚羽に頭を優しく撫でられながら、四葉はポツリと言った。
「ううん。僕の方が、会いたかったから」
見上げると、揚羽の優しい笑顔があった。
そして、首にはネックレスが光っていた。
「揚羽くん、ずっとつけてるの?
ネックレス」
ネックレスに触れ、言った四葉。
「当たり前だよ!
絶対、外さない。
四葉がスッゴく喜んでくれたし、僕の代わりって言ってくれたから。だからこれも、四葉の代わりだよ」
「………」
「四葉?」
「ごめんなさい、揚羽くん」
「ん?」
四葉は起き上がり、サイドテーブルにある引き出しを開けた。
そして壊れたネックレスを揚羽に見せた。
「これ……どうしたの?」
「今日、鷹寅くんのバーで落としたの。
その…文人くんに……」
「襲われそうになった時?」
「うん。
それで、取りに行ったの。
お父様と一緒に……
そうじゃないと、外に出してもらえなくて……」
「うん」
「お父様に勘づかれちゃった。
これ、揚羽くんからのプレゼントだって」
「そう…」
「このままじゃ…ネックレスを取り上げられるんじゃないかと思って、慌てて取り返したら……」
「壊れちゃったんだね?」
「………うん。ごめんね。
でも、明日ジュエリーショップに行って、直してもらうから!」
「もしかして、それであんなに悲しそうだったの?」
「うん。私の宝物だから」
「そっか。大丈夫だよ。四葉のその気持ちだけで、僕は十分!
…………あ、でも…また抱かせてよ?
そしたら、僕はもっと幸せになれるから」
「うん。私も、もっと抱かれたい……」
二人は抱き合い、溶けて果てた。