アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
「では、最後に私達の最高傑作のドレスです!」
司会者の声かけで、千歌が四葉の背中をゆっくり押す。
「四葉。
あんまり深く考えないで、ゆっくりで大丈夫だからね!」
「う、うん…」
四葉は、ゆっくりステージに向かった。
ステージに立つと、一気に注目を浴びた。
そして誰もが四葉の美しさに見惚れ、動きが止まる。
「「四葉…!!?」」
揚羽と鳳雅も、驚愕して見ていた。
(や、やだ…こ、怖いよ……)
先程までと違う会場の雰囲気に、四葉は不安になり動けなくなる。
「四葉!歩いて!」
千歌が小声で、必死に四葉に声をかける。
「………どうしたんだろ?」
「動かなくね?」
「え?どうなってんのー?」
今度は客達がざわつきだし、会場が騒然としてくる。
「四葉、どうした?」
「四葉、緊張して固まってる」
「は?大丈夫かよ……!?」
「━━━━━━━だから言ったんだ。
四葉に、無理をさせるなと……」
揚羽はゆっくりステージの方に向かった。
「揚羽?どこ行くんだよ!?」
そしてランウェイの先端辺りに上がり立った。
その揚羽の突然の行動に、客達が更にざわつきだす。
「え?揚羽様!?」
「これ、なんかの演出?」
「え……揚羽…くん…?」
真正面に立っている揚羽に、四葉も驚愕し見つめていた。
揚羽は両手を広げ、大きな声で言い放った。
「四葉!!
大丈夫だから、こっちにおいで?」
微笑み言った揚羽に、四葉は緊張がほぐれていくのを感じていた。
そしてゆっくり歩きだした四葉。
揚羽の方に、ゆっくり歩みを進めた。
揚羽の前に立つと、抱き締められた。
「フフ…捕まえた!!
…………四葉、凄く綺麗だよ。
僕、びっくりしちゃった」
「うん…ありがとう」
「一人でステージに戻れる?」
四葉に向き直り微笑む。
「う、うん…」
「………」
「だ、大丈夫だよ!揚羽くんのおかげで、緊張がほぐれたから」
「………嘘だな」
「え━━━━━!!?ちょっ…揚羽くん!!?」
揚羽は、四葉を軽々と抱き上げた。
会場に“キャー”と甲高い声があがる。
「揚羽くん////!!大丈夫だから、下ろして!!」
四葉も恥ずかしさで、揚羽に訴える。
「うーん、無理だよ。
もう、時間切れ。
こんな綺麗な四葉を、これ以上晒したくないし」
しかし揚羽は、気にも止めることなくランウェイを歩きステージ裏へ向かったのだった。
そんな二人の姿を、客席から見ていた鳳雅。
拳を握りしめていた。
そして四葉を舞台裏に送った揚羽が戻ってきた。
「揚羽、おかえり。
四葉、大丈夫だった?」
鳳雅は、できる限り冷静に揚羽に声をかけた。
「うん。かなり緊張してたみたいだ」
「だろうな。
初心者でトリを飾った上に、あんなに注目浴びればな」
「こうなることは、目に見えていたのに」
「てか、揚羽も大胆なことするんだな」
鳳雅が呟く。
「当たり前だ。
四葉の緊張をほぐすことができるのは、僕しかいない。四葉が心から安心できる場所は、僕の腕の中なんだから」
鳳雅を真っ直ぐ見て、揚羽は言い放ったのだった。
司会者の声かけで、千歌が四葉の背中をゆっくり押す。
「四葉。
あんまり深く考えないで、ゆっくりで大丈夫だからね!」
「う、うん…」
四葉は、ゆっくりステージに向かった。
ステージに立つと、一気に注目を浴びた。
そして誰もが四葉の美しさに見惚れ、動きが止まる。
「「四葉…!!?」」
揚羽と鳳雅も、驚愕して見ていた。
(や、やだ…こ、怖いよ……)
先程までと違う会場の雰囲気に、四葉は不安になり動けなくなる。
「四葉!歩いて!」
千歌が小声で、必死に四葉に声をかける。
「………どうしたんだろ?」
「動かなくね?」
「え?どうなってんのー?」
今度は客達がざわつきだし、会場が騒然としてくる。
「四葉、どうした?」
「四葉、緊張して固まってる」
「は?大丈夫かよ……!?」
「━━━━━━━だから言ったんだ。
四葉に、無理をさせるなと……」
揚羽はゆっくりステージの方に向かった。
「揚羽?どこ行くんだよ!?」
そしてランウェイの先端辺りに上がり立った。
その揚羽の突然の行動に、客達が更にざわつきだす。
「え?揚羽様!?」
「これ、なんかの演出?」
「え……揚羽…くん…?」
真正面に立っている揚羽に、四葉も驚愕し見つめていた。
揚羽は両手を広げ、大きな声で言い放った。
「四葉!!
大丈夫だから、こっちにおいで?」
微笑み言った揚羽に、四葉は緊張がほぐれていくのを感じていた。
そしてゆっくり歩きだした四葉。
揚羽の方に、ゆっくり歩みを進めた。
揚羽の前に立つと、抱き締められた。
「フフ…捕まえた!!
…………四葉、凄く綺麗だよ。
僕、びっくりしちゃった」
「うん…ありがとう」
「一人でステージに戻れる?」
四葉に向き直り微笑む。
「う、うん…」
「………」
「だ、大丈夫だよ!揚羽くんのおかげで、緊張がほぐれたから」
「………嘘だな」
「え━━━━━!!?ちょっ…揚羽くん!!?」
揚羽は、四葉を軽々と抱き上げた。
会場に“キャー”と甲高い声があがる。
「揚羽くん////!!大丈夫だから、下ろして!!」
四葉も恥ずかしさで、揚羽に訴える。
「うーん、無理だよ。
もう、時間切れ。
こんな綺麗な四葉を、これ以上晒したくないし」
しかし揚羽は、気にも止めることなくランウェイを歩きステージ裏へ向かったのだった。
そんな二人の姿を、客席から見ていた鳳雅。
拳を握りしめていた。
そして四葉を舞台裏に送った揚羽が戻ってきた。
「揚羽、おかえり。
四葉、大丈夫だった?」
鳳雅は、できる限り冷静に揚羽に声をかけた。
「うん。かなり緊張してたみたいだ」
「だろうな。
初心者でトリを飾った上に、あんなに注目浴びればな」
「こうなることは、目に見えていたのに」
「てか、揚羽も大胆なことするんだな」
鳳雅が呟く。
「当たり前だ。
四葉の緊張をほぐすことができるのは、僕しかいない。四葉が心から安心できる場所は、僕の腕の中なんだから」
鳳雅を真っ直ぐ見て、揚羽は言い放ったのだった。