アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
そんな時早瀬と九重での食事会があり、料亭に来ていた鳳雅と四葉。

「フフ…おかわり~」
「四葉、もうやめとけよ!」
アルコールが苦手な四葉。
これで、三杯目だ。
鳳雅が必死に止める。

「えー!!」
「四葉、あとは水飲んどけ!」
四門が、四葉の前に水の入ったグラスを置いた。



「━━━━━で?鳳雅、話って?」

「あ、四葉との結婚の件です」
「うん」

「おじさん、わかってますよね?
こんな状態の四葉と、結婚なんて無理なこと」

「鳳雅は、諦めるのか?」

「えーー!!鳳雅くん、私と結婚してくれないの?」


「四葉は、できるの?」

「できるよ!」


「へぇー
だったら………そのネックレス、今俺の目の前で燃やして?
あー、違うな。
俺達と“揚羽”の前で………!」


「え………」

「揚羽!!入ってこいよ!!」

鳳雅が呼びかけると、ゆっくり襖が開いて揚羽と毅蝶が入ってきた。


「揚羽…く、ん…」

「四葉。
久しぶり……」

「や……やだ…嫌!!なん…で?」
軽いパニック状態になる、四葉。
葉月が四葉を抱き締める。

「鳳雅さん、これは何!?」


「俺はもう……無理です。
こんな壊れた二人を見るのは……
ここにいるみんなは、おかしいよ!!
結婚って、二人で色んなことを乗り越えて“幸せ”になる為にするものだろ?
でも四葉は、俺と結婚しても幸せになれない。
俺も、こんな四葉を嫁にもらっても幸せになれない。
四葉を幸せにできるのは“揚羽”だけだ!
そして四葉から“幸せ”をもらえるのも、揚羽だけ。
それは、ここいる誰もがわかってることだろ?」

「鳳雅くん……」

「四葉。
俺と結婚してくれるっつうんなら、今ここでそのネックレスを燃やせよ!
ちなみに、揚羽のつけてるネックレスも。
二人とも、別れたくせに外すことすらできてねぇじゃん!!
“覚悟”を俺に見せろよ!!
それができないなら、揚羽の所に行け!!
お前は、もう……覚悟できてるはずだろ?
揚羽の傍でしか、幸せになれないこともわかってるだろ?」

鳳雅が泣いていた。

四葉は鳳雅の涙を見て、自分の愚かさに気づく。

私は、こんなに鳳雅くんを傷つけていたんだ。
こんなに近くにいて、鳳雅くんの悲しみや苦しみを何もわかっていなかった。

「四葉」
「え?
毅蝶おじ様?」


「お前に必要な“覚悟”は、揚羽を信じることだけだぞ」
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