アゲハ蝶は、クローバーを一人占めしたい
「━━━━━はぁはぁ…揚羽く…お願……少し、休憩させて…?」

都筑邸に着き、そのまま揚羽の部屋に直行した二人。
部屋に入るなり、ベッドに押し倒された四葉。


今までの狂おしい想いをぶつけるように、何度も揚羽に求められていた。

「ダーメ……まだまだ、足りない。
四葉が好きで、好きで、好きすぎて、もう…止まらない」

ベッドのスプリング、揚羽と四葉の甘い声が響いて、二人は手を繋ぎ合って何度も果てて落ちていく。


「━━━━━━四葉、大好きだよ……」
漸く収まり、揚羽の腕枕で頭を撫でられている四葉。
揚羽の首に光るネックレスを見つめていた。

「明日からは、僕が“全部”するね」
「ん?全部?」

「朝一番のモーニングコール。
大学の送り迎え。
門限まで一緒にいて、僕が送り届ける。
寝るまで、電話で話をして“おやすみ”って言って寝るんだ。
そして休みの日は、ここに泊まってずっとくっついて過ごすんだよ。
で、四葉が大学卒業したら、僕のお嫁さんになって!」

「はい!喜んで!!」
四葉は、満面の笑みで答えた。


「フフ…幸せだ。
四葉が、腕の中にいる。
やっと、四葉が手に入った」

「もう私達、普通に手を繋いでデートできるね!」
「うん」
「このネックレス、揚羽くんからの贈り物でペアなんだよ!って普通に言えるね!」
「うん」

「揚羽くんは、私の“婚約者”って言ってもいいのかな?」

「うん。みんなに言って、言いふらしてよ」

「フフ…
揚羽くん、大好きだよ」

「うん。僕の方が大好きだよ」




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

僕の彼女は、とにかくモテる。

とにかく可愛い。

とにかく優しくて、穏やか。

だから僕は毎日、気が気じゃない。

だから僕は毎日、言い聞かせるんだ。

「四葉のクローバーってさ。
幸せを運ぶって言うでしょ?
でもそれは“四葉を持ってる人間”だけ。
だから……
僕“だけ”に、幸せをちょうだい!」

って━━━━━━━

だから私は、彼に答えるの。

「もちろん!揚羽くんに“だけ”幸せをあげるよ!
だから揚羽くんも、その綺麗な容姿で魅了するのは、私“だけ”にしてね!」

って━━━━━━━



「四葉。
もう…放さないからね。
ずーっと、僕に一人占めされててね!」









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