私の騎士様
「恵、行ってきます」

軽く手を振り、伶奈は高級外車に乗り込む。そして、お見合いを行う料亭へと向かうのだった。



それから数ヶ月後、伶奈は少しソワソワしながら屋敷のソファに座っていた。それを見て両親がクスクスと笑う。

「そんなにソワソワしなくても、彼は来てくれるだろ?」

「そうよ。少しは落ち着きなさい」

二人にそう言われたのだが、伶奈は心配になり鏡の前まで移動する。鏡の中には水色のワンピースを着て少し不安そうな表情をした伶奈が映っている。

「私の格好、おかしくないかしら?このアクセサリーでいいかしら?彼好みにできてる?」

不安ばかりが募っていく伶奈に対し、ティーポットとティーカップを持ってきた恵が「そんな不安そうな顔をして、どうされましたか?」と訊ねる。

「恵、私どこかおかしいところはない?」

「おかしいところはありませんよ。ですが……」

恵は優しく伶奈の頬に触れる。恵の嵌めている白い手袋越しに温もりが伝わってくる。
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