狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
募りに募っていた憤りを口にしたことで、美桜は開き直った心地になってくる。涙なんて引っ込んでしまっていた。
ーーもう、こうなったら、恥ずかしいなんて言ってられない。
「何でもしますから教えてください。どうやったら尊さんに『抱きたい』って思ってもらえますか?」
「こんなにも俺のことを煽っておいて、思い違いもいいとこだ」
「ーーへッ!?」
興奮しきりの美桜の元に、ようやく事態を把握した尊の至極呆れたような声が届くも、まったく予想外なものばかりで、呆気に取られすぎて、裏返った声で聞き返すのがやっとだった。
そんな美桜の言葉など完全にスルーした尊は、端正な相貌に妖艶な微笑を湛えて、口端を吊り上げ。
「さっきも言ったよな。自分の言葉には責任をとってもらうって」
少し前にもされた言葉の再確認をしてくる。
ーーこ、この雰囲気……。なんか嫌な予感がするんですけど。
そうは思いつつも、もう後には引けないし、引く気もない。
美桜は、尊の切れ長の双眸を真っ直ぐ見据え潔く言い放った。
「はい。言いました。勿論そのつもりです」