狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜

 直後、満足そうに眇めた瞳で美桜のことを見遣った尊がゾクゾクするような色香を孕んだ重低音を轟かせる。

「だったら今から、コイツをこんなにした責任をたっぷりととってもらう。泣こうが喚こうが知らないからな」
「ーーヒャッ!?」

 全てを言い切るよりも早く、猛々しく存在感をアピールしてくる『コイツ』の様を目の当たりにし硬直した美桜の身体を軽々ヒョイと姫抱きにしてしまう。

 思わず美桜が短い悲鳴を上げるも、尊は構わず脚をズンズン進めていく。

 パウダールームで用意しておいたバスタオルで美桜を包むと、そのまま向かった寝室のベッドへと横たえられ、あっという間に組み敷かれていた。

 因みに、お互いまだ髪は洗っていなかったので髪を乾かす必要はない。

 条件反射で美桜が瞼をギュッと閉ざし、尊の出方を待っているところへ、尊から思いの外優しい低い声音が降ってくる。

「お前は自分が思ってる以上に、女としての魅力が充分あるから安心しろ。ソレを今から嫌と言うほどたっぷり教えてやる。いいな?」

 その言葉がこれまた意外すぎて驚きを隠せない。

 同時に、好きな人から、そんな風に言ってもらえて、嬉しくてどうしようもない。

少しばかり傲慢な口吻でも、露も気にならない。

 目を見開いた美桜は、感激の余り泣きそうになるのをぐっと堪えしっかりと頷いてみせる。

 するとやっぱり満足そうに切れ長の双眸を眇めた尊がそうっと覆い被さってくる。

ーーいよいよなんだ。

美桜の胸はドッキンドッキン高鳴り、喜びと期待感ではち切れてしまいそうだ。
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