狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
正直、『十も離れたこんなガキと』そう思っていたのだが、美桜にえらく懐かれてしまい、ひとりっ子だった尊は、いつしか可愛い妹のように思い始めていた。
周囲の大人は、そんなことなど見越していたのだろう。弦一郎や絹代の思惑通り、美桜と関わっていくうち、美桜のおかれた立場や背景が浮き彫りになってくると、尊は美桜のことが気にかかるようになっていった。
あくまでも、異性としてではなく、妹を心配する兄のような気持ちだ。
そう、そのつもりだった。昔も今も。
それが蓋を開けてみれば、天澤家から救い出すために企てた、形ばかりの政略結婚の予定のはずが……。
いくら身体の相性がよすぎるからって、無意識に煽られたからって、いくら『近い将来、ひとりで生きていくためにも、私を必要としてくれる家族が欲しいんです。母がそうだったように』自分との子供をもうけたい。そう懇願されたからって。
理性も我も見失い、美桜が処女だというのも忘れ、散々貪り尽くした挙げ句、抱き潰してしまうとは。
オマケにいくら望まれたこととはいえ、何度中出ししたかもまったく記憶にない。
この一月で美桜の生理の周期もおおよそ掴んではいて、危険日でないであろうことに気づいてはいたのだが。だからって。
ーーどうしてこうなった?