狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
尊曰く、『政略結婚とは言え本物の夫婦になったんだ。周囲の目を欺くためにも、恋を経験したことのないお前のためにも、本物の妻のように大事にして、目一杯甘やかしてやる』ということであるらしい。
こんなことをずっと続けられては、本当に愛されていると勘違いしてしまいそうだが、そうとも言えず、美桜は納得するしかなかった。
その後も、生まれたばかりの子鹿のように脚腰立たずに寝込んでいた美桜の身体を色々と気遣ってくれていた。
既に身体は綺麗に清拭されていて、真新しいバスローブに着替えさせてくれてもいて。
あんなに凄いことをしておいて、今更と思われるかもしれないが、想像してしまった美桜はとんでもない羞恥に襲われ悶えに悶えさせられた。
美桜は終始真っ赤になってあわあわしっぱなしだったが、尊はどこか愉しげに、食事やトイレにお風呂といった様々な介助を、さも当然のことのようにやってのけたのである。
その姿は、まさに新妻の世話を焼く夫そのもので、どこから見ても本物の新婚夫婦のようだった。