狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
挙式の当日から三日間滞在したホテルを出る際には、尊にさり気なく身体を気遣われながら腰に手を添えられエスコートしてもらっていると、お世話になったスタッフの女性から、羨望の眼差しを向けられ。
『優しくてとても素敵な旦那様でいらっしゃいますね』
なんてことを言われて、内心心を弾ませた美桜だったが、どう返せばいいかわからず、か細い声で『はい』と答えるのが精一杯で、真っ赤になって俯いていると。
『年が離れているせいか、妻が可愛らしくて堪らないものですから。つい構い過ぎてしまいます。ですがこれからは、あまり構い過ぎて疎まれないようにしないといけませんね』
女性スタッフに向けて、聞いているこっちがむず痒くなってしまうような、ノロケとしかとれない台詞を言い放つという、これまでの尊からは考えられないような言動の数々に、美桜は嬉しいやら恥ずかしいやら、戸惑うやらで、心を大きく揺さぶられっぱなしだった。
その後、激甘な三日間を過ごしたホテルを後にして、ふたりが向かった先は、新居となる都内の高級タワーマンションだ。
高層階のため、専用のエレベーターに乗り込んで着いたのは、4LDKのラグジュアリーでお洒落な部屋だった。