狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
それは以前、美桜と一線を画そうとしていたときのものと似ている気がして。
「……それって、いつか私の元からいなくなっちゃうからですか?」
なにかを考えるよりも先に言葉が口をついて出てしまっていた。
「……あっ、いや」
尊は、まさか美桜にそんなことを言われるとは思いもしなかったのだろう。
虚を突かれたように瞠目し、柄にもなく言葉を詰まらせる。
必死だった美桜は、なりふり構わず、畳みかけるようにして尊に矢継ぎ早に言い放つ。
「違うって言うなら、今すぐ約束してください。なにがあっても絶対傍にいてくれるって。そしたら好きだって言ってくれなくても許してあげますから。仕事だって今以上に励みますから。だから今すぐ約束してくださいッ」
すると尊は観念したというように渋々了承してくれた。
「わかった。約束する」
だがそう簡単に安心などできるはずもなく、尊をキッと強い眼差しで捉えて念を押す。
「本当ですか?」
「ああ。お前に泣かれるのは御免だからな」
正面から見据える美桜のことを尊も真っ直ぐに見つめ返ししっかりと応えてくれた。