狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
説明も聞き終え、画像を見ながら説明をしてくれていた三十代ほどの男性医師がPCの電源を落としているのを尻目に美桜がそろそろ部屋から出ようかとしていたちょうどそのとき。
出入り口の引き戸がバンッと叩きつけるような豪快な音を立てて開け放たれた。
医師も美桜も何事かと振り返った先には、鬼のような形相でこちらを睨みつけた尊が肩を上下させ荒々しい呼吸を繰り返す姿があり、驚きすぎてなにがなにやら思考が追いつかない。
尊の目は血走っていて、今にも襲いかかってきそうな狂気を孕んでいるように見える。
ーーこ、これは一体なにごとですか?
なにがあったのかは皆目見当もつかないが、ただごとではない雰囲気が漂っていることだけは理解できた。
けれどこんなに怖い顔をした尊にお目にかかるのは初めてで、どう声をかければいいかがわからない。