狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
「……もう、そんなこと言われたら、余計涙が出るじゃないですか」
「嬉し涙なら仕方ないな。いくらでも泣いていいぞ。胸なら好きなだけ貸してやるから、ほら」
「……もう」
これ以上泣かされては堪らないと尊に抗議をしたところで、嬉しそうに満面の笑顔を綻ばせながら涙をキスで追いかけるように優しく拭うばかりだ。
「これからは、不安にさせた分、俺がこれでもかってぐらい幸せにしてやるからな」
「私も。私も、尊さんのこと幸せにしますから」
「なら、ふたりで幸せになろうな。いや、三人だな」
「ふふっ、ですね」
いつしかふたりで幸せにするしないと言い合っているうち、どちらからともなく微笑みあい見つめあっていて、気づけば尊の逞しい腕にほわりと優しく包み込まれていた。
ただこうしているだけで、心底安心できる。
美桜は尊の広くてあたたかな胸に身も心も全てを委ねて、いつまでもいつまでも微睡んでいた。