狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
そのことを尊に悟られまいと返事を返したところで、結局は尊のペースに乗せられて、なにもかもを晒してしまうこととなるのだけれど。
「刺青、綺麗だなって」
「は? 綺麗なのは美桜の方だろう。だから隠さずにちゃんと見せてみろ。ほら」
美桜の言葉に理性を持ってかれそうになった尊だったが、なんとかやり過ごす。
その間、およそ数秒足らず、尊の葛藤に余裕のない美桜が気づけるはずもない。
一瞬唖然としていた尊は、いつもの調子で羽毛布団を引き剥がそうとする。
「あっ、あの。妊娠中は体型が気になるので着たままじゃ……駄目……ですか?」
慌てた美桜は余計なことまで口走っていた。そのことに途中で気づいたところで、尊が聞き逃してくれるはずもない。そうは思いつつも、なんとか上目遣いで窺ってみる。
尊は至極嬉しそうに、満面に笑顔を湛え、自信たっぷりに言い放つ。
「なんだ。そんなこと気にしてたのか。それなら問題ない」
「え?」
美桜は嫌な予感を感じつつも、尊の出方を見守ることしかできない。
そんな美桜の手をそうっと持ち上げた尊は、スウェットの上からでもわかるくらいに、天を突き上げんばかりに存在感を露わにしている自身の昂りへと導いた。
「ほら、こんなに元気になってるんだ。なんの問題もないだろ」
「ーーッ!?」
途端に、掌を通して、滾るように熱くなりブルブルと武者震いの如く打ち震える感触がダイレクトに伝わってくる。
たちまち美桜の身体がカァッと滾り、身体の中心からはとうとう熱いものが太腿まで滴る感触が広がっていく。
これ以上にないほどの羞恥に見舞われた美桜は、顔どころか全身を真っ赤に色づけてしまう。
けれどまだまだはじまったばかり。
これからどんな意地の悪い言葉攻めをお見舞いされるのだろうかと、内心身構えていると。
「それにしても心外だな。俺の愛情を舐めんなよ。美桜の見かけがどんなに変わろうが、俺の気持ちは変わらない。一生愛し抜いてやるから安心しろ」
少し拗ねた表情の尊に頬を両手で捉えられ、言い聞かすように優しい台詞が降らされた。
返答の代わりに、素直に頷いてみせた美桜の胸はあたたかなもので満たされていく。