狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
「はぁ……幸せ。それに、すっごく……気持ちいぃ」
あんまり幸せだったものだから、美桜は心の声を漏らしていた。
その声に、尊は心底ホッとしたように、艶めいた吐息を漏らすと。
「ああ、俺もだ。美桜とこうしていると満たされる。居心地がよすぎて、離れたくなくなる。ずっとずっとこうしていたくなる」
美桜の放ったもの以上に、嬉しい言葉を返してくれる。
三ヶ月前、尊が極道の世界から引退したあの日を境に、こうして気持ちを惜しげもなく明かしてくれるようになった。
元極道だけあって、先ほどのように大抵は、独占欲剥き出しの狂気めいたものだったり、少々傲慢なものだったりする。
けれどそうやって伝えようとしてくれる気持ちが嬉しい。
なにより、同じ想いでいてくれているってことが嬉しくてどうしようもない。
もうそれだけで堪らない気持ちになってくる。
いてもたってもいられなくなった美桜は背後の尊の元に振り返る。
尊の相変わらず端正な相貌は、普段とは比較にならないほどに艶めいて見える。
思わずうっとりと見蕩れてしまうほどだ。