狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜

 それが美桜の顔を目にした瞬間、心底嬉しそうに、蕩けそうな笑顔を綻ばせる。

 そうしてうっとりするほど甘やかな声音で愛の言葉を低く囁きかけてくる。

「美桜、愛してる」
「私も。私も愛してます」
「俺の方がもっともっと愛してる」
「私だって負けませんから」
「美桜は愛らしい顔に似合わず、昔からそういう強情なところがあるよな」
「……っ」

 尊への想いを伝えたいという気持ちが急く余り、美桜はついついムキになってしまった。

 そのことを尊に指摘されてしまい、しっとりと大人の女性のようにできない自分の不甲斐なさにシュンとなり言葉に詰まってしまう。

 けれど尊はコツンと美桜の額と自身のそれとをくっつけ、「こーら、真に受けるな」そう言ってくるなり。

「俺はそういうところも全部可愛いと思ってるんだから安心しろ。いいな?」
「はい」

 いつものように、たちどころになにもかもをすっぽりと優しく包み込んでくれる。

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