狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
驚いた美桜が見遣った先には、ダークスーツに身を包んだ三人の目つきの悪い男たちが部屋に押し入ってくる様が見て取れる。
ひとりは厳つい顔に大きな傷のある大柄の男。ふたり目は中肉中背の優男風。三人目に至っては、やけに整った顔をしている。
だが、皆一様に威圧感があり、眼光が鋭く、独特な雰囲気を纏っているように見える。
背後に振り返った優太郎もそれを視認するや、驚きながらも大物代議士だと感じさせる不遜な声で出迎えた。
「なっ、なんだッ! お前たちはッ!」
けれども突然の乱入者は、一切怯むことはなく、優太郎のことを一瞥したやけに整った顔をした男がフッと一笑し、優男に目配せした直後。
首肯した優男が優太郎を見据え、傍にあった木製の座椅子を蹴り上げると同時、底冷えのする迫力満点の鋭い重低音を轟かせたことにより、優太郎の態度が一変することになる。
「息子の見合いの席で、しかもその相手の味見をするようなゲスに、お前たちなんて呼ばれる筋合いはねーんだよッ。そんなことより、うちの舎弟を妙なことに巻き込んだ落とし前、きっちりつけてもらおーかッ!」