狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
一見すると優男風の目つきの悪い男の言葉に、思い当たる節でもあったのか、一瞬だけ優太郎のすべての動きが停止した。
けれどすぐにまったく身に覚えがないと言った表情に切り替えた優太郎の口からは、白々しい言葉が飛び出してくる。
「なんのことだ?」
優太郎の言動に、事情を知らない美桜が白々しく感じてしまったぐらいだ。
当事者であるダークスーツの三人の男らにしてみれば、甚だしいことこの上ないことだったに違いない。
案の定、優太郎の出方を窺っていた優男が忌々しげに顔を歪め、さっきよりも低く鋭い怒声を炸裂させる。
「しらばっくれんなッ! 堅気のクセに極道使って、散々甘い汁吸いやがってッ。ネタはあがってんだよッ!」
それでもまだ怒りがおさまらないようで、唾をまき散らしながら優男は優太郎の胸倉を引っ掴んで、今にも殴りかからんばかりの勢いだ。