狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
戸惑いを隠せないでいると、再び思考に男の声が割り込んでくる。
「おい。腰が抜けて立てないのか? それとも、俺に抱き起こして貰いたいのか?」
明らかに揶揄い混じりの男の声音に今度こそムッとした美桜が男の手を無視し、そのまま立ち上がろうとした時のことだ。
優太郎の魔の手からなんとかして逃れようと必死に、背後で両手をついて後退っていたせいか、振袖の上前が乱れており、襦袢までが下前もろとも大胆にはだけて捲れ上がっていたことに、今さらながらに気付かされた。
「////ーーキャッ!?」
おそらく立っている男からは太腿どころか下着までが見えてしまっていたに違いない。
とんでもない羞恥に見舞われた美桜が真っ赤になりつつも、大慌てで乱れた身なりをただしていると。
「そんなに慌てなくても、世間知らずで純真無垢なお嬢様同様、オコチャマ仕様の純白パンツ見たからって、欲情したりしないから安心しろ」
「////ーーッ!?」
ーーお、オコチャマ仕様の純白パンツ……!
肩を震わせつつ揶揄うような口吻の男の言葉に、ことごとく羞恥を煽られてしまった美桜は、これでもかというぐらいに真っ赤にさせられ、その場で顔を両手で覆い隠して身悶えるしかなかった。