狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
おそらく優太郎を連れ出したふたりの男が戻ってきたのだろう。
途端に言いようのない羞恥に襲われ、竦みそうになってしまったが、ここでやめるわけにはいかない。
元々は、自分が蒔いた種だ。
ギュッと瞼を強く閉ざし、一思いに襟元の上前と下前をはだけて引き下げようとしたときのこと。
「もうよせ」
突如、さっきから威圧感満載で無表情を決め込んでいた男から制止の声がかかり。
「……え?」
驚いて目を瞠った美桜の口から間抜けな声が飛び出した。
その声を拾った男にすかさず。
「部下が戻ってきたからよせと言ったんだ。どうした? ガッカリしてるのか?」
美桜を止めた理由に続いて、意地の悪い声音で問われたところで、突然のことに思考が追いつかない。
「へっ!?」
口からも意味をなさない言葉が出るばかり。
そんな美桜に、ここぞとばかりに、長身の男がなおも意味深な言葉で攻め立ててくる。
「それとも、二人の前で自分の痴態を晒しながら、この俺に抱かれたいのか?」