狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
いくらこういう男女の艶っぽい事に疎い美桜でも、何を示唆されたかぐらいのことはなんとなく察しがつく。
ボンッと顔どころか全身から火でも噴いてしまいそうなほど一気に体温が上昇し、熱くて熱くてどうしようもない。
おそらくどこもかしこも真っ赤に色づいてしまっていることだろう。
あからさまな反応を見せる美桜のことを満足そうに見遣った男から。
「言っとくが。俺は女を輪姦するような性的嗜好は持ち合わせちゃいなから安心しろ。帰ったらたっぷりと愉しませて貰う。そんなとこでボケーッと突っ立てねーで行くぞ」
「ーーへッ!?」
再び届いた言葉に、今度は違った意味で目を丸くした。
大きく見開きすぎたせいで、目玉が落っこちそうだ。
あんなにも恥じらっていたというのに、羞恥心さえもどこかに吹き飛んでしまっている。
ーー帰ったらたっぷり愉しませて貰うって言った? それに、行くってどこへ?
男の言葉には、所々、要領を得ないものも混じってはいたが、とにかく今は、その二点が非常に気にかかる。