狂愛的ロマンス〜孤高の若頭の狂気めいた執着愛〜
たった今、目を覚ましたらしい尊からは、ここぞとばかりに耳元で、昨夜散々浴びせられた言葉攻めを朝一でお見舞いされてしまうのだった。
「……ん? どうした? 驚いて飛び起きようとしたと思えば、急に固まったり。真っ赤になってあわあわしたり」
「////……べ、別になんでも」
素知らぬ顔で応えつつも、真っ赤になった上に、横になった体勢で尊に強引に引き寄せられ、背中からすっぽりと包み込むように抱きしめられてしまっている。
それだけじゃない。尊の分身が臀部に押し付けられてしまっているのだ。そんなの恥ずかしいに決まっている。お陰で、身動き一つ取れない有様だ。
「ああ、これか。悪いな。素っ裸じゃないと寝た気がしなくてな」
どうやらそのことに気づいたらしい尊からの返答に、美桜は思わず心の中で毒づいていた。
ーー素っ裸で寝るなんて。裸族じゃなるまいし、ありえない。
「////……そ、そうですか」
「それとも。昨夜、俺に胸や色んなところをしゃぶられて、散々喘がされたのを思い出したのか」
「////ーーッ!?」
素知らぬ顔を装って応えつつも、当然余裕など皆無なため、もういっぱいいっぱいだ。
なのに、直接的な言葉で、昨夜のことまで掘り返されてしまった美桜は、もうショート寸前かというくらいに羞恥を煽られてしまう。言葉も失ってしまったほどだ。
余裕のない美桜とは対照的に、尊は腹立たしいほど平然としていて、なんだかとても愉しげに見える。
おそらく、こういうことにも慣れているからだろう。
そういえば、今頃気づいたが。昨日振袖を乱され肌襦袢一枚だったはずが、身につけた覚えのないバスローブ姿になっていることからも、尊が着せてくれたのは明白だ。
加えて、シャワーも浴びてないにも関わらず、不快感がまったくない。
恥ずかしすぎて、想像したくはないが。もしかしたら、身体も拭いてくれたのかもしれない。
これも、慣れている所以だとしか思えない。