魔法の手に包まれて
「先生」
 と、保護者の一人に呼ばれ、彰良は我に返る。
「はい」

「このカップに取っ手をつけたいのですが、できますか?」

「はい、ちょっと難しいので、私の方でやりますね」

「ありがとうございます。リナちゃん、先生が取っ手をつけてくれるって」

「やったぁ」

「こちらのカップに模様はつけますか? こう、薄く型抜きを当てると、模様をつけることもできます。竹串で文字をいれることも」

「リナちゃん、どうする?」

「リナ、おほしさまがいい」

「でしたら、最後に取っ手をつけますね。終わったら呼んでください」

「はい、ありがとうございます」
 型抜きを手にした親子は、自分たちの作ったカップにそれを押しあてている。

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