魔法の手に包まれて
3.再び窯ラード
千夏の元に、窯ラードから着信があったのは、卒園製作を行ってから十日後の夕方だった。勤務する幼稚園から自宅に戻ってすぐ。
「はい」
『成田千夏さんのお電話ですか? こちら、窯ラード工房主の石川です』
「あー、先生。先日はどうもありがとうございました。今日は、どうされました?」
『以前、作られた作品が焼き上がったのでお電話いたしました。取りにくる、というお話でしたよね』
千夏は必死になって頭の中を回転させた。そういえば、初めて窯ラードを訪れた日、ろくろを回してお茶碗を作った。
「あ、はい。思い出しました」
『すいません。予定より焼き上がりが遅くなってしまって』
大抵、焼き上がりまでは二か月という時間をもらっているが、焼く物が少ない時はある程度溜まってからまとめて焼き上げる。たまたま千夏がお茶碗を作った時は、作品数が少なかったのだ。
「はい」
『成田千夏さんのお電話ですか? こちら、窯ラード工房主の石川です』
「あー、先生。先日はどうもありがとうございました。今日は、どうされました?」
『以前、作られた作品が焼き上がったのでお電話いたしました。取りにくる、というお話でしたよね』
千夏は必死になって頭の中を回転させた。そういえば、初めて窯ラードを訪れた日、ろくろを回してお茶碗を作った。
「あ、はい。思い出しました」
『すいません。予定より焼き上がりが遅くなってしまって』
大抵、焼き上がりまでは二か月という時間をもらっているが、焼く物が少ない時はある程度溜まってからまとめて焼き上げる。たまたま千夏がお茶碗を作った時は、作品数が少なかったのだ。