魔法の手に包まれて
「え? てことは、彰良さんの作品はどれも売れていないってことですか?」
「そういうことです。出品者特典ということで」
「なんか、腹黒悪徳商法に出会ったような気分です」
「ちなみに、こちらのマグカップは、千夏さんのことを思って作りました。こうやって合わせると、ここがハートの形になるんです。今度、あの工房でこのカップでお茶を一緒に飲みましょう」
「はい、って嬉しいんですけど。やっぱり、悪徳商売のような……」
「悪徳商売っていうのは、価値の無いものを価値があるように見せて売りつけることです。これは元々私のものですから、私が売りたくないと言ったら売らなくていいのです」
「そういうものなんですか?」
「はい、陶芸展とはそういうものです」
なんか納得のいかない千夏ではあるが、この彰良の作品が他の誰の手にも渡ることのないことを知って安心した。
「きちんと商品にするものは、商品として作るんですよ」
彰良が笑う。だから、千夏もつられて笑う。
「そういうことです。出品者特典ということで」
「なんか、腹黒悪徳商法に出会ったような気分です」
「ちなみに、こちらのマグカップは、千夏さんのことを思って作りました。こうやって合わせると、ここがハートの形になるんです。今度、あの工房でこのカップでお茶を一緒に飲みましょう」
「はい、って嬉しいんですけど。やっぱり、悪徳商売のような……」
「悪徳商売っていうのは、価値の無いものを価値があるように見せて売りつけることです。これは元々私のものですから、私が売りたくないと言ったら売らなくていいのです」
「そういうものなんですか?」
「はい、陶芸展とはそういうものです」
なんか納得のいかない千夏ではあるが、この彰良の作品が他の誰の手にも渡ることのないことを知って安心した。
「きちんと商品にするものは、商品として作るんですよ」
彰良が笑う。だから、千夏もつられて笑う。