魔法の手に包まれて
 さりげなく園児のことを怪獣と表現した彰良。わからなくはない。日本語が通じない、怪獣だと思うことは千夏だってある。意味もなく泣きわめき、積み木を放り投げ、挙句の果てに近くにいた他の園児に怪我をさせる。言ってわかるものなら、最初から他の子に怪我なんて負わせることもない。

「その、幼稚園児でもできるものなのですか? ろくろって」

「さすがにろくろは難しいでしょうから、手び練りとかはいかがでしょう?」

「手び練り?」

 聞き慣れない言葉に千夏が聞き返すと「ええ」と彰良は頷く。

「このような作品が作れますよ」
 立ち上がった彰良は、棚からいくつかの作品を手にして、机の上に並べた。葉っぱの形をしたお皿とか、ちょっと歪な形のお皿とか。
「粘度遊びの感覚で、好きな形のものを作ることができます」

「粘度遊びの感覚というところがいいですね。それに、この葉っぱのお皿も素敵です」

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