魔法の手に包まれて
「恥ずかしながら、これは私の作品です」
本当に恥ずかしそうに、顔の色を染めながら彰良が口にした。陶芸家のわりには謙虚な人だなという印象を持つ。だが、名刺には陶芸家とは書かれていなかった。工房主、という肩書。
「その、石川さんは陶芸家さんではいらっしゃらないのですか?」
「また、難しい質問をされますね。私は工房主を名乗っています。この工房、窯ラードの工房主という意味ですね。陶芸家というのは、まあ、そうですね。作って売るのが主な仕事ですけど、私は陶芸の楽しさを広めたいので、あえて陶芸家は名乗っていません。逆に、名乗ったら怒られそうです」
目尻を下げて口角をあげて笑う姿は、陶芸が好きで楽しいんだろうなという思いを感じさせる姿だ。
「それにしても、窯ラードって面白い名前ですね」
「フランス語で仲間をカマラードと言うそうなのですよ。そこに陶芸で使う窯を引っ掛けてみました」
先ほどとは違って、お茶目な笑顔だった。
本当に恥ずかしそうに、顔の色を染めながら彰良が口にした。陶芸家のわりには謙虚な人だなという印象を持つ。だが、名刺には陶芸家とは書かれていなかった。工房主、という肩書。
「その、石川さんは陶芸家さんではいらっしゃらないのですか?」
「また、難しい質問をされますね。私は工房主を名乗っています。この工房、窯ラードの工房主という意味ですね。陶芸家というのは、まあ、そうですね。作って売るのが主な仕事ですけど、私は陶芸の楽しさを広めたいので、あえて陶芸家は名乗っていません。逆に、名乗ったら怒られそうです」
目尻を下げて口角をあげて笑う姿は、陶芸が好きで楽しいんだろうなという思いを感じさせる姿だ。
「それにしても、窯ラードって面白い名前ですね」
「フランス語で仲間をカマラードと言うそうなのですよ。そこに陶芸で使う窯を引っ掛けてみました」
先ほどとは違って、お茶目な笑顔だった。