離婚するはずが、エリート警視は契約妻へ執愛を惜しまない~君のことは生涯俺が守り抜く~

 彼女によく似合っていた、淡い灰白色のワンピースの背中のファスナーをゆっくりと下ろす。すとん、と肩から落ちていく花のレース。

 黒い繊細なレースの下着が、暴力的なまでに彼女が大人なのだと俺に教え込む。白い肌とのコントラスト。


「っ、あの、ブラ、こんなの似合わな……これ、ドレス着るときに渡されてっ」


 恥ずかしげに風香が早口で言う。俺は笑った。


「あの店にして良かった。ここまで似合うものを選んでくれて」

「……!」


 驚き顔の風香に指で触れる。指先が溶けるかと思うほど熱い柔肌。

 お互いが、溶けていく──
< 35 / 84 >

この作品をシェア

pagetop