離婚するはずが、エリート警視は契約妻へ執愛を惜しまない~君のことは生涯俺が守り抜く~
「紙袋に入っていたのは、指輪だったんだな? 他には」
「なさそうでした」
「そうか」
帰宅する車の中。
永嗣さんは何か考えるように眉間に皺を寄せて──それから私を見て真っ直ぐに言う。
「必ず守るから、心配するな」
私は少し迷ってから、こくりと頷く。
どこまで甘えていいのか、分からない。
けれど今、私は永嗣さんに頼るしか道がなくて──
(どうにか返せたらいいのだけれど)
永嗣さんはきっと、逆だって言うけれど。『今の自分はきみがいたからだ』って……
でも結局、私は何もしていないし。
本当に、どう返したらいいんだろう?
(ご飯作るとか、それくらいしか……)
百さんに永嗣さんの好みはなんとなくだけど聞いてあるし……今度会ったら、色々教えてもらわなきゃなあ……