妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里

妄想腐女子とは

<妄想腐女子の恋愛事情>

倉橋琴音は、
隠れ腐女子である。

暇さえあれば、BL小説か
漫画を読んでいる生活。

そして、
三十路を超えてしまった。

倉橋琴音の勤める、
カルチャースクールは、
夜9時30分まで、授業がある。

その間、事務室にいるのは、
琴音一人だけだ。

誰もいないので、
何かの対応がなければ
心おきなく、
BL本を隠れながら、読める。

倉橋琴音は、そんな職場環境が
気に入っていた。

たくさんの人のいる職場は、
基本、苦手なのだ。

気を使い疲れてしまい、
体調を崩す。

現在は夜8時30分。

生徒の来る窓口から、死角になる
衝立の横の椅子に、座るのが定番だ。

軽食のサンドウィッチをかじりながら、目は本から離せない。

外はとっぷりと暗く、
窓の外の街灯がついたり、
消えたりしていても、気にならない。

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