妄想腐女子の恋愛事情  倉橋琴音と影山海里
「わかりました」
琴音は立ち上がり、丁寧に頭を
下げた。

「よろしくお願いいたします。
お先に失礼します」

「さて、俺も帰って寝るか」
景山は誰に言うとでもなく、
独り言のように言った。

まだ、よくわからないが・・

ビルの階段を降りながら、
琴音は、もう一度考えていた。

この香山教授(激似)男と
毎日会うのは、悪くない。

それに仕事も、自分のペースで
できるのもいい。

雑居ビルを出ると、
昨日と同じ満月が、ぽっかり浮いているように見える。

そして、ビルの3階の電気は
消えていた。
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